はてな
・転職しようか迷ってるんだけど、自分の理由ってアリなのかな?
・円満退職出来る理由って何だろう?
・次の職場の面接で、転職した理由を何て言おう?
薬剤師の転職、本当に悩みますよね。転職理由も、どう職場に言えばいいか、また、面接の時にどう言えば良いか迷う所です。
この記事で、そのような疑問が解消されれば嬉しいです。
「Pharmacist Income」のユウです。
地方の薬局チェーンで管理薬剤師兼新人教育担当兼学生実習担当をしていて、前は人事も担当していました。
そのような色々な視点から、この記事では薬剤師の転職理由についてお話します。
スムーズに転職出来る理由、逆に「これはちょっとマズい。」という理由等、実際に私が経験した事も併せてご紹介します。
少しでも参考になれば幸いです。
この記事では、以下の事が解ります。
ポイント
・薬剤師が転職する理由
・嫌われる転職理由と円満退職出来る理由
・面接時に話せる転職理由
・転職理由を組み合わせて、上手く転職するコツ
ちなみに、私の場合、
メモ
一回目:自身のスキルアップ
二回目:結婚
という理由で転職を経験しています。
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代表的な薬剤師の転職理由
メモ
・ 「一緒に働く人が嫌。」
・ 「身体を壊した。」「体調不良の為。」
・ 「職場がブラックだった。」
・ 「給料が低い。」「出世できない。」
・ 「スキルアップ」
・ 「結婚」
・ 「家のローンや奨学金、子供の養育費」
・ 「親の介護や子供の面倒」
こんな所でしょうか。
それぞれについて、詳しくお話していきます。
転職理由「一緒に働く人が嫌。」
社会一般常識として「一緒に働く人が嫌。」という理由での転職は、人事担当者をはじめとした会社ウケは非常に良くないです。
他業種の話ですが、よくネット等の情報で「嫌な職場なら辞めればいい。」「フリーランスになればいい。」という意見が多いのですが、それを真に受けて職場を辞めた結果、再就職先が無くて困られている方を時々みかけます。
薬剤師の場合は、パッと辞めても再就職先が無いという事は今の所無いのですが、何度も転職を繰り返す原因にもなり、そうなりますと、再就職先もそのような目で見るようになります。
言い換えますと「人とのコミュニケーションに難あり。」と見られます。
職場によって色々ありますが、人同士のトラブルは何処でもありますので、そこは「ある程度は仕方ない。」と割り切った方が良いです。
しかし、「一緒に働く人が嫌」という理由でも妥当な転職理由になる事があります。
それは、上司や先輩からの圧力が酷く、体調を壊してしまった場合、若しくはその恐れがある場合です。
この場合、辞める職場の心象は悪くても、転職の際の面接や再就職先の心象は「それは仕方ないね。大変だったね。」という印象になりますので、転職理由としてまあまあ妥当なものになります。
体調不良を理由とした転職理由は、次の見出しでも取り上げますのでご一読頂ければ幸いです。
転職理由「身体を壊した。」「体調不良の為。」
体調不良等の理由による転職については、その程度で再就職先の心象は変わります。
他の人からのストレス等によるものの場合は前の見出しで書いた通りですが、重い病気を持っていたり、精神疾患だったりする場合は、「無理させてはいけないな。」「仕事にはきちんと来てくれるのかな?」と不安な心象になります。
ですので、身体を壊して仕事を辞めた場合、十分に身体を治してから再就職するか、体調面と相談しながら病気があっても継続して勤められるような職場を探す必要が出てきます。
転職する際の面接時に、体調に関してそこまで不安を与えないように、「今は大丈夫です!働けます!」と言えるようにしましょう。
転職理由「職場がブラックだった。」
「地域包括ケア」が言われるようになり、薬局から介護施設や個人宅に居宅療養管理指導加算を算定して薬を配達し、服薬管理をする事が増えてきました。
臨床現場にて薬剤師が活躍できる、非常にやりがいのある仕事ではありますが、それに伴い、夜中に呼び出されたり、退勤後にも電話対応の為に携帯電話などを持って帰らないといけなかったりと、長時間に渡って気が休まらない事が増えてきました。
病院薬剤師は一般的に責任が重い割に給料が安く、ブラック職場と言われる事が昔から多いのですが、薬局に関しても、最近は調剤薬局バッシングや薬剤師バッシング等で調剤報酬が徐々に縮小されてきておりますので、それに伴ってブラックな職場が増えています。
その様な状況ですので、薬剤師の転職理由として「職場がブラックだった。」というのは、十分な転職理由になります。
只、転職活動で面接を受ける際、この理由ですと、前職のブラックな仕事内容を伝える事になります。
「仕事が大変だった。」「24時間気が休まらない。」「処方内容が重く、患者さんのクレームが絶えなかった。」という内容は面接時に話しても良いのですが、前職の悪口(上司や社長の悪口、同僚の悪口等)は言ってはいけません。
薬剤師業界は思いの外狭く、薬剤師会等で薬局同士が顔を合わせる事も多い為、情報が筒抜けになる事もあるからです。
「壁に耳あり障子に目あり。」と言いますが、薬剤師業界はそれが当てはまりますので注意しましょう。
転職理由「給料が低い。」「出世できない。」
給料面での転職理由も結構あります。最近、多いですね。
病院から薬局への転職で多い印象ですが、その他にも、大手チェーンから中小の薬局への転職や、都市部から田舎への転職でもあります。
どうしても、その人のスキルや業務内容に比べて給与が安い場合に起こります。
病院は薬剤師の給料が低く抑えられている場合が多く、正直な所、責任と給料のバランスが取れていないと私は考えています。
これは薬剤師に限った事ではなく、他のコメディカルの業種でも当てはまります。
医療費削減との方針を政府が打ち出している以上、医療職の待遇は中々改善されないでしょう。
また、「出世できない。」という事ですが、これは大手チェーン薬局や病院では、要職のポストが空いていない事が一つ原因として有ります。
中小企業に行ったとたん、非常に優秀な薬剤師に変わったという例もよく聞きます。
こういった事情を人事担当者は十分承知ですので、これらの理由の場合は「大変だったね。」と理解してくれます。
この理由の場合は、転職先も「頑張って仕事してくれるだろう。」と思いますので、良い理由と言えます。
転職理由「スキルアップ」
薬剤師にありがちな転職理由で、私も一回目の転職理由として挙げています。ですが、この理由は実は良くありません。落とし穴と言えます。
この理由の場合、聞いた人事担当者や転職先の人間は「スキル身に着いたら、また何処かへ転職していくんだろうな。」と思います。
基本的に薬剤師の場合、企業サイドとしては「長く休みなく働いてくれる。」という事を重要視します。
ですので、「スキルアップ」と言われると警戒します。例え採用されたとしても、要注意人物として登録されます。
面接の際にはメインの転職理由としては言わない方が良いでしょう。出来る事なら、過去の自分に向けて注意したい位です。
また、この理由の場合は、退職する職場や会社へのウケも良くありませんので、自然と疎遠になります。その辺りは注意が必要とあります。
ちなみに、逆に再就職後に、勉強として研修会等に積極参加するのは奨励されます。
ガンガン研修会に出ると、職場や人事の人間は「頑張っているなあ。」と評価します。この辺りは難しいですね。
闘志は内に秘めた方が良さそうです。
転職理由「結婚」
私の2回目の転職理由でもあります。寿退職ですね。まさか、自分がするとは思いませんでした。
こういう「どうしようもない理由」の場合、辞める職場は「まあ、仕方ないね。」となります。
私の場合は、前職でも薬局長(管理薬剤師)でしたので、業務に支障が出ないよう、一年前から「辞めます。」と話をしていました。
そのおかげで、すんなりと退職できました。今でも、前職のスタッフとは仲がいいです。
転職するのに言いやすい理由と言えます。この転職理由の場合は、「生活していく上で稼ぎは必須。」と職場の人間は評価しますので、そこまで悪い印象は持たれません。
只、転職活動での面接時には、少し注意が必要です。これについては後述します。
転職理由「家のローンや奨学金、子供の養育費」
泥臭い話ですが、「金の切れ目が縁の切れ目」と言います。
その諺は事実でして、ローンや奨学金、子供の養育費、その他借金がある等の、お金にまつわる転職理由は意外と歓迎されます。
理由は単純で「お金を返す為に必死に働く為。」です。相当無理させない限り、辞めるリスクが少ない為、意外と歓迎されます。
転職理由「親の介護や子供の面倒」
30~50代でよく起こります。親の介護、子供の面倒というのは、その薬剤師自身ではどうしようもない理由の一つになりますので、人事担当者から見ても「仕方ないね。」という事になります。
ですが、これらの理由の場合、働ける時間に制約が発生する可能性がありますので、人事担当者から見たら、その辺りが心配となります。
転職時に、自分自身の働く上での制約をきちんと伝えておいた方が良いでしょう。
転職理由を組み合わせて、上手く転職するコツ
最後に、転職する理由を組み合わせ、楽に転職するコツをお話します。
今までに挙げた理由一つでも良いのですが、複数組み合わせて使い分ける事で、比較的スムーズに転職する事が出来ます。
辞める職場への理由と、転職活動時の面接で、整合性が取れる範囲で理由を少し変えればOKです。それぞれ、どのような理由がどのような条件で使えるのか分けて解説します。
職場を辞める時に使える理由
職場を辞める際には、以下の理由が使えます。
メモ
・ 「一緒に働く人が嫌。」
・ 「身体を壊した。」「体調不良の為。」
・ 「給料が低い。」「出世できない。」
・ 「スキルアップ」
・ 「結婚」
・「親の介護や子供の面倒」
「一緒に働く人が嫌。」
もう、辞める職場とは金輪際関りを持たない場合に使えます。薬業界は、同じ地域内で転職する場合、辞めてからも関わりがある場合が多いです。
前職での話が、前の上司の口から転職先の上司に伝わる事もあります。ですので、正直な所この転職理由は使わない方が良いと私は思います。
例えば逆に、都市部から田舎へ行く等の全く違う地域に行く場合は、この理由でも大丈夫です。
「身体を壊した。」「体調不良の為。」
辞める職場の業務量が多い場合、身体の負担がきつい場合が多いです。
例えば、仕事が原因で何らかの病気になった、怪我をした等があれば、そのまま使っても大丈夫です。
「今まで頑張ってきましたが、気力体力の限界です。病気になってしまいましたし、これ以上は身体が持ちません。ごめんなさい。」というような感じでお話して頂ければ良いでしょう。
「給料が低い。」「出世できない。」
全体的に給与の安い傾向にある病院や、大手チェーン薬局を辞める際に使いやすいと思います。
「妻や子供もいて、今の給料ではやっていけない。」「もっと出世したいと思っているのですが、この会社では競争が激しすぎて上に行けないので。」と正直にお話すれば良いでしょう(この理由の場合は、引き留めがかなり強いとは思いますので、辞める旨を早めに上司に言っておく方が良いです)。
「スキルアップ」
最初に私が転職する際に使った理由です。辞める際には普通に使えます。
「漢方をやってみたい。」「在宅介護をやってみたい。」「精神科をもっと深く極めてみたい。」等の理由を、辞める際に職場に伝えれば大丈夫です。
「結婚」
所謂、寿退職というやつです。この転職理由の場合は、祝い事になりますので、「残念だ。」と心では思っていても、強く引き留める事は出来ません。
もし「結婚を辞めてこの職場に残ってくれ!」と言われた場合、その職場はブラックですので気兼ねなく辞める事が出来ます。
寿退職は、一番仕事を辞めやすい理由ですね。
「親の介護や子供の面倒」
この理由も、仕事を辞めやすい理由になります。
寿退職もそうですが、「辞めるしか仕方がない。」という理由は、辞めた後も去る職場との関係が良い状態に保てる事が多いです。
転職した後に、たまに前の職場に顔を出して差し入れ等をすると、何かあった時に力になってくれることもあると思います。
転職活動時、面接等で使える理由
あまり悪い印象を持たれないようにするには、転職理由がかなり大きなウエイトを占めます。以下の理由が使えますが、慎重に選ぶようにしましょう。
メモ
・「身体を壊した。」「体調不良の為。」
・「職場がブラックだった。」
・「給料が低い。」「出世できない。」
・「スキルアップ」
・「結婚」
・「家のローンや奨学金、子供の養育費」
・「親の介護や子供の面倒」
「身体を壊した。」「体調不良の為。」
上の見出しでもお話しましたが、この理由を面接時に使った場合、「健康面に不安あり。」と判断されます。
薬剤師はまだまだ足りているとは言えない状況です。
勤務をきちんとこなしてくれる人材が薬局にとって一番優先されますので、体調面の不良という理由はあまり使わない方が良いです。
もし、これを使うという事でしたら、「今は大丈夫です!」と言い切るようにしましょう。それだけで心象が変わります。
「職場がブラックだった。」
面接時に話す転職理由としては妥当な部類に入ります。しかし、この理由の場合は、前職に対する愚痴が多くなりがちです。
狭い業界になりますので、個人攻撃や会社の悪口は極力しない方が身のためです。後で自分に帰って来ます。
この理由を持ち出すのであれば、「仕事内容が非常にキツかった(処方箋の内容が重い、残業が非常に多かった、夜中に調剤する事がよくあった等)。」という言い方をすべきです。
「給料が低い。」「出世できない。」
この理由の場合、面接時には妥当な理由として認識されます。また、前職の給与を聞かれる場合があります。
中小のチェーン薬局等へ転職する場合は、大体が管理薬剤師(薬局長)が一番上になります。
その上と言いますと、そこからまた実績を出してヘッドハンティングを狙うか、独立開業を視野に入れる事になりますが、その辺りは面接時には言わない方が良いでしょう。
「スキルアップ」
薬剤師の転職理由として本当に多いのですが、上の解説でもお話した通り、この理由は落とし穴になります。
退職時には使っても良いのですが、転職活動での面接時にはあまり使わない方が良い理由です。
もし使う、というのであれば、他の転職理由をメインにして「ちょっと興味があります」程度に抑えておいた方が良いです。
ありがちなのが「私は漢方をしたいんです!」と言う場合です。
こういう感じに前面に押し出されると、人事担当者は「勉強する事が無くなったら、他の薬局に行くんだろうか。」と思います。
こういう場合、「ちょっとハーブや生薬に興味があって、漢方なんか面白そうだなと何となく思っていました。」のように軽く言うと良いでしょう。
理由を軽くする事が出来るのであれば、というのがこの理由を使う条件です。
「結婚」
職場を辞める際の理由としては一番スムーズなものでしたが、転職活動の面接では、必ずしも良い理由ではありません。
繰り返しお話しておりますが、人事担当者をはじめとした会社サイドは、基本的に「どれくらい安定して働いてくれるか?」というのを重視します。
ですので、例えば女性の結婚退職した後の再就職は、「次は妊娠・出産という大仕事だから、継続していつまで来てくれるのかな?」と口には出しませんが必ず思います。
ですので、あまり余裕のない薬局ですと断られる可能性があります(中規模チェーン薬局なら、大体採用となりますのでご安心下さい。)。
しかし、そういう風に思うだけでなく、「また職場復帰してウチの薬局で働いてくれるのだろうか?」とも思います。
福利厚生の話を出すときは、そういう事が人事サイドでは頭の中を駆け巡っています。私の様に、男性が寿退職して転職活動する場合は、この理由は企業側には大歓迎です。
生活があるので、そうそう辞めるとは思われません。この理由は、性別により差が出てきますので注意が必要です。
女性の場合、転職理由のメインで使わないといけないのですが、サラッと流して「お金が要る。」という理由をアピールした方が良いでしょう。
「家のローンや奨学金、子供の養育費」
これは、給与を理由とする転職理由とほぼ同じになります。お金が要り様になりますので、しっかりと長く働く見込みが出てきます。
ですので、人事担当者はそれを聞くと「長く勤めて貰えるだろう。」と内心ほっとします。逆に、入社後に「たいへんだな、頑張れよ!」と声をかけてくれる事もあります。
「親の介護や子供の面倒」
この転職理由は、面接時には微妙な反応となります。
介護や子供の面倒を見る時間も必要となりますので、「何処まで仕事に時間が裂けるのか?」という事が人事担当者の頭をよぎります。
この場合、自分の希望する就職条件と会社の条件を詰めて置いたほうが良いです。この理由については、転職理由のメインで使わない方が良いでしょう。
転職理由の組み合わせ例
最後に、転職理由の組み合わせ例をご紹介します。基本的に、辞める時と面接時で整合性を失わない程度に変えていくのが良いですね。
例1:私の2回目の転職時
退職:「結婚」
転職活動での面接時:「結婚」「子供の養育費(生活費)」「スキルアップ」
*「これから子供も出来て、給料が良い方が良い。」と面接で伝えました。
例2:病院から薬局への転職
退職:「給与が低い」「子供の養育費(生活費)」
転職活動での面接時:「給与が低い」「子供の養育費(生活費)」「スキルアップ」
*面接時に「何故この薬局?」と聞かれた際、軽く「~に興味があります。」とスキルアップ関連の理由を軽く答えてもらうと良いです。
例3:薬局から薬局への転職
退職:「身体を壊した。」「体調不良の為。」
転職活動での面接時:「職場がブラックだった。」
*ブラック薬局から逃げる時と、その後に転職活動をする場合。体調に問題ないようであれば、「体調不良」というのは面接では言わない方が良いです。
例4:ドラッグストアから薬局への転職
退職:「スキルアップ」
転職活動での面接時:「出世できない。」「スキルアップ」
*ドラッグストアは、出世出来ても店長までで止まる場合が多いので、このような組み合わせになる事が多いです。
例5:薬局から薬局への転職
退職:「出世できない。」「スキルアップ」
転職活動での面接時:「出世できない。」「給与が低い」「スキルアップ」
*大手チェーン薬局から中小の薬局に転職する場合に多い理由です。大手より、人手が少ない地方の中小薬局の方が給与が高い場合が多いです。
お読み頂きありがとうございます。
以上です。少しでも参考になれば幸いです。以下より、他の記事が検索できますので、宜しければご活用下さい。
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